[ロッドカスタム例]パックロッド化 ブリーデン社トレバリズムキャビン506CT

ブリーデン社トレバリズムキャビン506CTをパックロッドにカスタムしました。

折れたキャビン506CTが安く手に入ったのでパックロッドに!

 

カスタム詳細

バット部が折れたキャビン506CTをパックロッドとして復活させました。本当は4ピースにできれば良かったのですが、折れた場所の都合上6ピースになりました。折れていたのは6ピースのうちの#4と#5の間です。

フェルールは全て印籠継です。#1と#2の間は30tソリッド、#2と#3の間は30tソリッド+チューブラー、#3と#4の間は純正、#4と#5の間はチューブラー+チューブラー、#5と#6の間もチューブラー+チューブラーです。ソリッドはマグナムクラフト製30tソリッド、チューブラー部はシマノ社セフィアCI4+・セフィアBBR・ダイワ社ハートランド・ジャストエース社CAIなどを刻んだものです。

○○+○○と言うのは2種のブランクを重ねて作っているという事です。ただ重ねるだけでなく重ねる部分と重ねない部分をきちんと考えて作っています。

運よく?ガイド位置はあまり弄る必要がなかった為、1個動かしただけです。少し気になる部分も無くはないですが実用にはほとんど影響がなさそうなので触らないと思います。

自重は純正より5g増の47gとなりました。

 

このロッドの疑問点

このロッドにはいくつか突っ込みどころがありますが、きちんと理由があります。

 

なぜそれぞれのピースの長さがバラバラなのか?

出来ればそれぞれのピースを同等の長さにしたかったのですが、折れていた場所の都合上限界でした。

またフェルールの長さもそれぞれ違いますが、これは実際に繋いで曲げながらフェルールの長さを調整したためです。「繋ぐ・曲げる・切る」を繰り返した結果こうなりました。

 

なぜ#1が長いのか?

マルチピースロッドは運搬時の破損を防ぐため、ティップを他のピースよりも短くするのがセオリーです。このロッドは写真で見ても分かるように#1は他のピースよりもわずかに長くしています。

その理由はこのロッドが軽量リグを扱う事をメインとするアジングロッドだからです。繫ぎ目をティップに近づければ近づけるほど柔軟性は失われ、軽量リグの操作感が悪くなってしまいます。わずかではありますが、#1を長くすることによって軽量リグの操作感を出来る限り損ねないようにしています。

 

パックロッドにしても綺麗に曲がるの??

ワンピースのような曲がりは出せません。やはりフェルールで曲がりの変化は起きてしまいます。だから極力綺麗に曲がるようフェルールに工夫を施すのです。

※バケツは約500gです

人の感性には個人差があるので何とも言えないところもありますが、このロッドは綺麗に曲げれていると思います。

 

パックロッド化したトレバリズムキャビンの性能は??

6ピース化したことによる5gの重量増がダルさに繋がるかと思っていましたが、ダルさは感じませんでした。良い芯材を使っていることは大きいと思います。純正の状態を知らないので比較は出来ませんが・・・

軽量ジグヘッドの操作は正直やりにくいです。これは僕が普段チタンティップと柔軟なソリッドを使っている事やこのロッドがハリ強めなチューブラーであることも関係していると思いますが、0.8g以下の操作はやりにくいと感じました。

感度やファイト面は分かりません!だってアジいないんですもん!4回ぐらいテストに行きましたが魚のアタリすらありません。例年ならデイで尺アジ釣れるんですけどねぇ・・・ここはまた更新します。

 

[ロッド修理例]ガイド破損 ダイワ社エメラルダスAGS84M

ダイワ社のエギングロッド「エメラルダスAGS84M」の修理です。

写真のようにガイドが折れてしまっています。この他にもう1ヶ所フレームが破損しているガイドがありました。

AGS破損は意外と多いです。感度アップと軽量化の為に強度を犠牲にしたガイドの為、取り扱いには注意が必要です。

 

修理詳細

新しいガイドを取り寄せて交換するだけです。「ピンラインは不要、1色巻きにして安くなるならそちらの方が良い」との事だったのでブラック1色で巻き上げて完了。「メッチャ綺麗、これで使える!」と喜んでいただけました。

[ロッド修理例]繫ぎ目折れ ヤマガブランクス社メビウス88L

ヤマガブランクス社のエギングロッド「メビウス88L」の修理です。

写真のようにジョイント部からボッキリ折れています。依頼者様はまず自分で何とかしてみようと試みたようですが断念して、KinopyCraftWorksに依頼した形です。

 

修理詳細

このロッドは繫ぎ目の折れ以外にも破損があり、折れた部分を繋ぐだけでは使えるようにはならず、繫ぎ目を0から作る必要がありました。

逆並継のこのロッドを印籠継に改造する必要があったのですがこれが非常に大変!

逆並継の繫ぎ目部はバット側よりもティップ側の方がかなり太くなっているため普通に印籠芯を作っても太さが全く合わないのです。合わせるには変則の印籠芯を作る必要がありました。

ただ合わせるだけだと強度不足になることは明白で、1キャスト目で折れる事必至なので必要な強度が確保できるように内部を工夫、ブランク内側からだけではなく外側にも手を加え、最終的には6重構造になりました。

もちろん精度もバッチリです!

 

 

[ロッド作製例]ハードロックフィッシュ用ロングベイトロッド1

ショアからのハードロックゲーム用ベイトロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:約9フィート7インチ

自重:約220g

ルアーウエイト:15g~80g

適合ライン:PE1.5号~3号

ガイド:オールチタンSiC

 

ロッド紹介

ショアからのハードロックゲーム用ロッドです。荒い根を躱す為に長めの設計にしました。60㎝を超えるオオモンハタやクエ・スジアラ・チャイロマルハタ・ヤイトハタ等の大型ロックフィッシュを相手にすることを前提としています。

 

実釣性能

パワーロッドですがティップは非常に柔軟で軽量のルアーも投げることが出来ます。負荷が掛かれば素直に曲がるのでロッドを使ったアクションもやりやすいです。(リトリーブ以外で使う事は滅多にありませんが)ただしベリーから急激に強くなり、ロッド全体の曲がり方のバランスはあまり良くないと思います。50㎝クラスのオオモンハタ程度ではベリーまでしか曲がらず、しかもロッドが長いので腕への負担は半端ないです。(正直だいぶシンドイ)バットまでブチ曲げてくれる魚が掛かればこのロッドの真の力を見ることが出来ると思われますが、僕の日頃の行いが悪いのか?未だこのロッドをブチ曲げてくれる魚は現れません・・・

使用するにはそれなりの体力が必要なロッドではありますが、それさえ除けばキャストのしやすさや持った時のフィーリングは抜群に良く(個人差あります)、とあるメーカーのテスターさんに「俺これで良い!この竿メーカーに持って行って同じの作ってくださいって言ってイイ??(笑)」と言わしめたロッドでもあり、自分が作ったロッドの中でもかなり出来の良いロッドだと思っています。

かなりニッチなロッドですが刺さるところにはしっかり刺さる、そんな1本になっています。

 

[ロッド作製例]磯ヒラスズキロッド2

 

磯ヒラスズキ用ロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:約11フィート

自重:約219g

ルアーウエイト:11g~50g

適合ライン:PE1.2号~2号

ガイド:オールチタンSiC

 

ロッド紹介

ヒラスズキ釣りを始めるに当たって作製したロッドで、11フィートでルアーMAX50gと市販品にもよくあるスペックです。

 

実釣性能

オール40トンカーボンブランク使用の為、しっかりとしたハリがあり強風時に強いロッドです。そのため風波の釣りではこのロッドを使用します。ティップまで程よいハリがあるのでライトショアジギングでも使用可能です。

ベストウエイトは18g~35gで、僕が多用する10g台前半のルアーは扱いづらいです。また長さがないのでサラシの中を漂わせるような操作も苦手なので自分で作ったロッドですが、正直言ってあまり使いたくないロッドです。14フィートのヒラスズキロッドを作製して以降は強烈な北西風が吹く状況以外では一切使用していません。

65㎝程度のヒラスズキなら抜き上げ可能なので、ミノーをグリグリ巻くようなルアー操作をする方や強引に取り込むのが好きな方には向いていると思います。

[ロッド作製例]磯ヒラスズキ用ロッド1

磯ヒラスズキ用ロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:14フィート

自重:289g

ルアーウエイト:8g~45g

適合ライン:PE1.2号~2号

ガイド:チタンSiC&ステンレスSiC

 

ロッド紹介

11フィートのヒラスズキロッドに不満を感じて作製しました。14フィートと市販品にはほぼ存在しないロングロッド。グリップ周りがダサいのと一部ステンレスガイドを使用しているのはこのロッドを作製した時は金欠だったからです(笑)

 

実釣性能

長い、ただそれだけで出来ることが物凄く増えました。14フィートの長さがあることで、キャストミスやルアーが波に飲まれたりしてルアーが思いがけないところに行ってしまっても、回収できる確率が格段に上がりました。これにより攻められる範囲が格段に広がり、またルアーのトレースコースも増加しました。サラシの中を漂わせるようにルアーを操作するには最高です。長さがあることで1歩下がった場所から釣りが行えるので、安全性も高まります。

ティップは非常に柔軟かつ繊細で、10gクラスの小型ルアーを非常に快適に使用することが出来ます。ベストウエイトは10g~25gで、ヒラスズキ釣りに使用するプラグにベストマッチです。

長く柔らかいロッドは重くてダルいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。ティップはファーストテーパーで#1にはチタンガイドを使用しているので、無駄に暴れることはなく、先重りもありません。10gのルアーをピンポイントに送り込むことのできるキャスト精度も持ち併せており(もちろん慣れは必要)、ロングロッドの概念を覆すロッドとなっています。

非常に優秀なこのロッドですが強風時は使い物になりません。強風時に14フィートのロッドをコントロールするのはかなり難しいです。

大袈裟かもしれませんが、強風時以外においては現在のヒラスズキロッドの到達点とすら思えるレベルの1本です。

[ロッド作製例]フラット・ロック・青物・シーバスはこれ1本!オールラウンドロッド1

オールラウンドルアーロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:9フィート

自重:約108g

ルアーウエイト:10g~40g

適合ライン:PE0.8号~1.5号

ガイド:チタントルザイト&チタンSiC

 

ロッド紹介

これ1本で色んな釣りを幅広くカバーできるロッドに仕上げました。エギング・ハードロック・シーバス・フラットフィッシュ・ライトショアジギング・ヒラスズキ(湾港や小型河川)などに使用できます。もちろん全てを快適に行えるわけではありませんが、1本持っておくと非常に便利です。

 

実釣性能

長さとパワーを考えると非常に軽量で使っていて非常に楽です。特にサーフでのフラットフィッシュゲームやライトショアジギングで大きなメリットを発揮します。非常に振りぬきやすく10フィート以上のロングロッドに劣らない飛距離が出せつつも、ルアーの操作は楽です。ベストウエイトは15g~30gで、フラットフィッシュゲームやライトショアジギング、シーバスゲームで主力となるルアーの重量とマッチします。

軽量でありながらパワーも非常に強く、ボートであれば50㎝オーバーのオオモンハタも楽勝。テトラ帯で70㎝オーバーのメジロも獲りました。尚、このメジロはPE1.5号を使用しドラグを固く締めた状態でキャッチしています。

非常に汎用性が高く、使用頻度が高いロッドです。

[ロッド作製例]ジグヘッドリグ用アジングロッド1

ジグヘッドリグ用アジングロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:約5フィート4インチ

自重:40g

ルアーウエイト:0.4g~3g

適合ライン:エステル1lb~1.5lb・PE0.1号~0.3号

ガイド:オールチタントルザイト

ティップ:チタン

 

ロッド紹介

オーソドックスなジグ単用アジングロッドです。それほどピーキーなロッドではないのでジグヘッド以外にも軽めのキャロやスプリットが使用でき、ラインもエステルだけではなくPEの使用も可能です。ただしPEを使う事を前提としていないので、PEを使うと糸鳴りや抜けの悪さがやや気になります。リールシートには定番のカーボンパイプではなくチタンパイプを使用し感度向上を図りましたが、感度アップの体感は出来ませんでした。薄いカーボンパイプを使用した方が良かったのかもしれません。最高級コルクを削り出して作ったグリップが1つの拘りポイントです。

 

実釣性能

チタンティップを採用したことにより、操作感度と反響感度の両立が上手くできています。快適なのは0.6g~1.6gあたりで常夜灯下でのアジングにはピッタリです。0.6gを操り、豆アジのバイトも弾かない繊細さと柔軟性を持ちながら、35㎝程度のアジであれば抜き上げられるパワーも備えています。(もちろん立て過ぎには注意)相手がアジであればパワー負けすることはないかと思われます。テトラ帯のやや強引に取り込まなければならないようなポイントやセイゴ等が混じるポイントでも活躍するでしょう。

繊細でありながら割と無茶も出来る守備範囲の広いアジングロッドです。

 

[ロッド作製例]ライトゲームフロート用ロッド1

ライトゲームフロート用ロッドの作製例です。

 

スペック

長さ:約8フィート3インチ

自重:約85g

ルアーウエイト:1.8g~25g

適合ライン:PE0.4~0.6

ガイド:オールチタンSiC

ティップ:ソリッド

 

ロッド紹介

キャロ用アジングロッドではカバーできない重量まで扱う為に作製したロッドです。アルカジックジャパン様の「シャローフリークエクスパンダ」やシマノ様の「ソアレウルトラシュート」がフルキャスト出来ます。前から考えていた新しいガイドセッティングを試したロッドで、ボツになるかもしれないと思っていましたが結果は良好で、この先僕が作るロッドはしばらくこのセッティングになるかもしれません。ライトゲーム用ロッドとして作ったロッドですが、展示会では「エギングロッドとして使ったら面白そう!」という声が多く上がりました。

 

実釣性能

やや短めのソリッドティップで感度は抜群。反響感度の良さは当然ながら、軽量リグの操作感度が高く、25gを投げられるパワーを持ちながら微風の状況であれば1.3gのジグヘッドリグもしっかりと操れます。

とにかく強い!ライトゲームの範疇で狙う魚であれば負けることはないかと思われます。34㎝のメバル、42㎝のイサキが水上スキー(笑)魚の引きを楽しみたい方には向きません。唯一ハラハラしたのは夜磯メバル狙いの際に磯際でヒットした45㎝のグレ。結果としてはキャッチできましたが、この魚に関しては獲れたのは運もあったと思います。場所にもよりますがこの辺りがこのロッドの限界という事です。エギングでの使用も可能で、水深7m以内であれば3.5号のエギは問題なく扱えるかと思います。

キャロ用アジングロッドと同じく、リグ操作時はファーストテーパーですが魚が掛かるとスローテーパーに急変します。

フロートと秋のエギングにはピッタリでその他の釣りもある程度こなせるロッドです。

 

[ロッド作製例]キャロ用アジングロッド1

キャロ用アジングロッドの作製例です。ソリッドティップとチタンティップのティップ2本です。(ティップ2本は割高になるのでおすすめ致しません)

 

スペック

長さ:約7フィート7インチ(ソリッド)

約7フィート8インチ(チタン)

自重:約76g(ソリッド)

約77g(チタン)

ルアーウエイト:1.5g~17g(使えるウエイトには個人差あります)

適合ライン:PE0.3~0.4

ガイド:オールチタントルザイト(ソリッド)

トルザイト&SiC(チタン)

 

ロッド紹介

まだ知識も技術も乏しかった学生時代に作ったロッドで見た目の汚さは超一級(笑)今ならこんなに酷い見た目にもならなければこの設計にもしませんが、実釣性能が非常に高く使い勝手のいいロッドで、未だに使用頻度が高いロッドです。無知ゆえに無茶をした結果良いロッドになってしまったという感じでしょうか(笑)いつ折れてもおかしくないのですが意外と折れません!

先にソリッドを作りチタンは後から作ったのですが、ソリッドの性能の高さからチタンは出番がなく未だにテスト釣行のみの使用となっており、作り始めてから4年がたった今も完成されず放置されている現状です(笑)

 

実釣性能

キャロ用のアジングロッドとして作成したものの、予想以上に繊細かつ高パワーで3g~13gあたりまで扱えれば良しとして作ったはずが、風がなければ1gのジグヘッド単体が扱え、15gのキャロやフロートが投げられるパワーも併せ持ったロッドとなりました。そこまで扱うにはある程度ライン操作がしっかり出来たり、リグの重量によってキャスト方法やアクションを工夫する能力が求められますが、当初目指した3g~13gのウエイトであれば誰でも問題なく扱えるロッドとなっています。

ファーストテーパーのソリッドティップで軽量リグが扱いやすくなっていますが、負荷が掛かると一気にバットまで入るスローテーパーのロッドに急変します。一気にバットから曲がるので、曲がった後に戻ろうとする力が非常に強く魚が勝手に寄ってくるような形になることが多いです。

尺クラスのメバル、35㎝を超えるアジ(恐らく40㎝クラスでも)水面を滑るようなファイトになるので悪く言えば面白くないロッドかもしれません。40㎝クラスのイサキやヒラスズキでようやく楽しいレベル、痩せた40㎝クラスのマダイは抜き上げまでいけました。

キャロアジングにはもちろんですが、磯での大メバル狙いや最近流行りのミドルゲームにも最適なロッドです。